ネタバレ注意!!!
アメイジング・グレイスの冬茜トム先生の新作。
大正時代の日本にタイムスリップした主人公と主人公を取り巻く人々を描いた物語。
はじめは歴史の知識が必要かなぁと思いながら読み進めていましたが、クリアした今となっては、歴史の知識よりもシュレディンガーの猫といった科学の知識の方が必要だなぁと思いました。
物語は一本道で、攻略するルートも固定。
決められたヒロインルートをクリアすると、次のヒロインのルートへ進めるという仕様です。キャラクターも魅力で、特にサブキャラクターたちのキャラが濃い。個人的に成田さんが出番多めなのは意外でした。というか男性キャラが結構本編に絡んできてた気がします。女性キャラだと、リーメイが本編に関わってきていて、それも意外。
それにしても冬茜トム先生の伏線の回収の仕方は前作アメイジング・グレイスの頃から、すごいなぁと思っていたんですが、今回も今回で、些細なシーンから重大な事実へと繋げていく描き方は健在です。某キャラルート終盤からの盛り上がり方がとても良かった。というか某キャラルートのミステリートレインの話から一気に面白くなった気がします。それ以前も面白かったのですが、読み進めるスピードが速くなったのは、ミステリートレインからかなぁ。謎解き自体が楽しかったので。(謎解きは全然正解してませんが)
ただ、一本道なので、最後までプレイするとメインヒロインルート一強!となるところは、アメイジング・グレイスと同様で(私はアメグレはユネ一強だった)、最後の所長ルートをクリアした今では、他のヒロインに浮気は出来ないです。今回は特に所長一強だった。
それから読み進めていて若干疑問に思うところもあったのですが、それについては、以下のネタバレを含めた感想で書いとこうかなぁと思います。
ともあれ、アメグレ同様面白く、人に勧めやすい作品だなって思ったので、気になった方は是非。
あ、全部通して好きなキャラは万斎でした。万斎さんすこ。
以下より更にネタバレして語ってますので未プレイの方はご注意ください。
遠子ルート
歪みの一つである怪盗事件を捜査しながら遠子の過去に触れていくルート。一番最初に触れるルートながら、透子というキャラの核心に迫っていったので、面白かった。
個人的にはメリッサが怪盗だったらショックだなぁと思っていたので、彼女が怪盗じゃなくて良かった。遠子の問題を解決してからは、結構いちゃらぶシーンが多めだったのですが、若干だれてしまったかなぁ…。単純に好みの女ではなかったというのもありますが。
このルートでとあるキャラが披露した特技が後々の伏線になるとは思ってなかったよ…。
蓮
蓮が…蓮が豹変したのがショックすぎるルート。性格なら蓮が好きかなと思っていただけにエロシーンにおけるあの女王様っぷりは、萎え……てしまった。
話的には蓮よりも男性キャラにスポットが当たっていたルートで、蓮については過去話が少なく、本編に絡むような背景もないように思えた。そのためか、印象が薄めでした。ほんとにエロシーンしか印象にない。このルートで特にスポットが当たった成田さんは、だんだん憎めないキャラになってきました。共通ルートを進めている当初は、単なる嫌味なキャラで終わるとばかり思っていたのになぁ…。サブキャラが本編に関わったり、過去が描かれるゲームが好きなのでこの辺りからさくレットに対する評価は上がってきた気がします。
あと万斎とオオカミの話も良かったです。
メリッサルート
ミステリートレインを舞台にそこで起こった事件について紐解きながら、とある事実に迫っていきます。前述しましたが、個人的にはここから一気に面白くなったなぁという印象。ミステリー…と言っていいのかはわかりませんが、手帳や登場人物の証言を元に目的地や起こった事件の犯人を考えるのは楽しかった。全然掠りもしなかったけど!あと犯人知ってショックだったけど!
ルートのメインであるメリッサにしっかりとスポットが当たってましたし、メリッサだけでなく他ルート同様、サブキャラの過去話なども描かれていて面白かったです。ルート最後のメリッサのスチルがとても、とても好き。BGMもOPの曲だったので、燃えたなぁ。
ヒロインの中では、メリッサが一番好きだなって思いました。梱枝先生の描かれるピンク髪ヒロインはかわいい。
所長ルート
所長ルートは他ルートのヒロインと違い、主人公視点、所長視点で物語が進んでいきます。今までのルートの集大成で、これまで各ルートで一つずつ解決していた問題をこのルートで一気に片付けつつ、他ルートでは判明していなかった事実や描かれていた伏線が明かされます。
他ルートでは手袋で致すなってずっと思っていたんですが、あれが伏線だったとは全然思わなかったな〜〜。などなど、色んな事実が繋がっていく描き方は、流石冬茜先生といったところでしょうか。面白すぎて所長ルートは一気に進めてしまいました。あと所長が!純粋に可愛い。
メインヒロインに報われてほしいと思うので、こうして隠しヒロインに負けることなくメインヒロインが物語のトリを飾るのは良いですね…好きです。
所長と同じくらい出番があったのは万斎かなぁ。まさかここまで万斎が出ずっぱりとは思わなくて、万斎好きとしては歓喜。好きなキャラの出番が多いのは嬉しいです。キャラ脳なので。
ただ正直、結末についてはやや強引かなぁと。納得のいくものでしたが。
加藤の件とか。ああしないといずれ同じことが起きるし、歪みが解消されないのはわかるのですが、あれはあれで歪みが出来てしまいそうな気もしました。許される歪みと許されない歪みの違いって何?無論、加藤がやろうとしてたことに比べれば、大したことはないんでしょうけど…。
あと、桜雲と令和の件も。未来人でなければ、未来は変えていいんか?って思った。(それとも、桜雲は歪みがひどかったからあの元号になってしまっただけで、本来の時間軸は令和だった、て考えは出来るかもしれない…。)
最後の所長の子孫の件についてもなど、個人的に気になるところは少しありました。
とはいえ、ハッピーエンドに変わりありませんし、最後のエンド自体はとても良かったです。
きゃべつソフトの次の新作は冬茜先生じゃないみたいなので、見送りますが、また冬茜先生が新作を書かれたら買います。
内容大体一緒のメモキャラは万斎、ヒロインはメリッサ、カプは主人公×所長が良かった。楽しい……