第五拾壱話『訣』の感想です。
永倉新八好きとしてこれは感想を書いて置かねば、と!
以下ネタバレあります。
この話より一つ前の話で近藤さんと新八っつぁんが文のやり取りをしていたシーンがあるのですが、そのシーンがこの話で回収されましたね……。
新八っつぁんたちと再会した近藤さんは嫌「嫌なことは忘れてみんなで呑み交わそう」と皆に言うのですが、少しして意味深な表情で新八っつぁんのことを見ます。ここの近藤さんがなんだか悲しそうで、対する新八っつぁんの笑みもなんだか自嘲している感じがして辛い……!本当に辛いのですが……!
二人が席を外して少しして、左之たちが二人がいないことに気付きます。
探しにいくとそこには真剣な表情で話し合う近藤さんと新八っつぁんの姿が……。
ここからの流れは史実と大体似通ってはいるのですが、史実だと近藤さんの態度がどこか突っぱねたような、寂しさとか悲しさとかが感じられず、冷たい印象を受けてしまうのですが(書き手が永倉さんなので仕方ないのですが)ピスメでの近藤さんは、本当に仲間思いで優しい御方だなぁ……と。
もしかしたらうまくやれないことも予想出来てたのかもしれない……実際途中から双方感情がこもりすぎたように感じましたが、それでも隊士たちのためを思い、新八っつぁんと喧嘩別れを演じることにした近藤さんは凄いと思います。辛い役回りだなぁ。
作中で新八っつぁんってあまり泣くことはないのですが、やはり平助関連は涙腺が緩くなるのかなぁ。これから先のことを思うと更に辛い思いをしてしまいそうで怖いですが……。
というかこんな喧嘩別れ別れを演出した後に近藤さんの処刑の報を聞いたら新八っつぁんは落ち込んでしまうんじゃないだろうか……?
ともあれ、新選組の永倉新八、原田左之助はこの回にて離隊となります。単なる喧嘩別れじゃないところがやはりピスメらしい描き方だなぁと思いました。