三大電波ゲーの1つである終ノ空。
ザッピングシステムを導入しており、4章に分け、4人の人物の視点から出来事を掘り下げていく仕様です。選択肢等はないが、4章クリア後のみ、ヒロインを選択することで、結末が異なります。個人的に好きなのは琴美エンド。(行人と琴美の2人が好きなので…)
素晴らしき日々の元になっている作品ですが、話がそんなに長くない&結末としては胸糞悪さ、不完全燃焼な部分があるかなぁと。これでプレミア価格なのか…。
どちらを先に遊ぶべきなのかはわかりかねますが、私は素晴らしき日々→終ノ空の順でやりました。
素晴らしき日々をやった後に終ノ空を知ったというのもありますが…。
個人的には水上行人と間宮卓司の関係性が好きなので、終ノ空の方が好きです。2人の関係が好きなら小説版も面白いかも?です。挿絵の間宮卓司がとても良い…。但しこれも現在プレミア…。高い。
以下より章ごとの感想と簡単な考察です。がっつりネタバレしているのでご注意を。
①水上行人視点
物語の傍観者としての視点?からか、あくまで起こったことの概要しか掴めていない。後述する卓司とのやり取りの描写も少ないが、キャラとしては立っていて、終ノ空では一番好きなキャラかもしれないです。とにかく格好良い……。
②若槻琴美
物語の被害者としての視点?かと。
行人と違い、首を突っ込んでしまったが故に巻き込まれてしまった印象。彼女はあくまで日常側の人間かなと思っていたんですが、間宮卓司視点をクリアした後に現れる物語を見て、本当に日常側の人間なのか?と疑問に。
彼女のシーンは痛々しくはあるが、思ったよりはマイルドだった。でもスカトロ(文章表現のみだが)はある。
③高島ざくろ
物語の原因とも言うべき人物。彼女をきっかけにして間宮卓司が、周囲が狂ってしまったのだろうなぁ…。ただ物語の中では彼女が悲惨な目にあっているだけで、彼女自身が世界を滅ぼそうという意思はなかった…寧ろ世界を救おうとしたが故に起きてしまったことなので、悲惨としか言いようがない。
④間宮卓司
被害者でもあり、加害者でもある。彼の物語こそ終ノ空が電波ゲームたる所以という話もある。電波という言葉通り幻覚や幻聴があり、人ではないなにかが徘徊しているシーンが多い。ただ怖いという印象はなかったかなぁ。
最後の行人とのやり取りはとても良かった。水上行人だけが好きだった間宮卓司のことをもっと掘り下げたいです。
終ノ空について
世界の終わりというよりは、全ての対が終える空のことを終ノ空と言っているよう?
作中では間宮卓司は水上行人と対になっており、世界を捨てた者、世界を見続ける者。前に進んだ者、立ち止まった者、というように対比されるシーンがある。
7月20日以後、世界が終わったのか、終わらなかったのかはわからないが、間宮卓司という水上行人の対は消滅した…てことは何かしら世界の変容があったのではないかなぁと思う。
また、それ以後の話を読み進めると若槻琴美と音無彩名は7月20日以後同時には存在していない。若槻琴美ルートでは音無彩名が若槻琴美にすり替わっており、音無彩名ルートではそもそも若槻琴美が出てこない。
ということは彼女らも何らかの対であり、7月20日以後、対が終えてしまった世界で存在出来なくなってしまったのかなぁ…とか…とか。彼女らの対となる要素はわからないけど…水上行人関係?
メタっぽく感じる台詞もあった。
ただ、哲学は不勉強なので、それらを絡めるとまた違った答えになってしまいそうであるけど…。
ともあれ、面白かった。
物語を読み解くのは難しいが水上行人と間宮卓司の関係性を考えてみるだけで萌える。
親友ではないが、対…という関係性も良い。